こんにちは、きつね(@gijutsujin)です。
今回は、Wi-Fiルーターの選び方をご紹介します。
先日、あるブロガーさんとWi-Fiルーターの選び方について話題になりました。
そこで感じたのが、Wi-Fiルーター選びってよくわからないと言う事。当然価格高い高性能のWi-Fiルーターを選べば間違いはないのですが、コストと導入効果が見合っているのかが判断がつかないと言う事。これって、あるあるだと思います。
そこで、Ethernet コントローラーICを設計経験のある私が、無線LANネットワークの構築についての考え方や、Wi-Fiルーターを選ぶポイントについて、当時のブロガーさんとのやり取りにあった内容ふまえてまとめてみました。
無線LANネットワークの構築の考え方を理解する事で、Wi-Fiルーターの選び方も理解できるようなると言う事で、
Wi-Fiルーターを選ぶ時に、どんな事を注意すればよいのか?どんな機種を選べばよいのか?を分かりやすく説明します。
Wi-Fiルーターを選ぶ際のポイント!
- 自宅の回線スピードを知る
- 回線スピードが確認出来たら、使うLANケーブルを決める
- Wi-Fiルーターは、自宅の回線スピードより速いスピードを出せる物を購入する
光回線の確認
まずは、お部屋に来ている光回線の特長を理解しましょう。
これを知っておくと、後々スピードが出ない理由が理解できます。
マンション
マンションやアパートの場合、建物まで占有できますが、そこから各部屋に分配される様になっています。
その為、ISPで契約したスピードよりも遅くなる傾向があります。
・部屋数が多い
・使用している居住者が多い時
一戸建て
一戸建ての場合は、アパートやマンションとは違い占有線を自宅に引き込めるので、契約したスピードに近い数値が出やすいです。
マンションは速度低下しやすんじゃな。なるほど。
マンションタイプでも、IPv6に対応していると、スピードが出やすいです。
回線スピードテストで回線スピードを確認
まずは、ご自宅の回線スピードを測定しましょう。
最初は、ISPで提供されたルーターにLANケーブルをさして有線接続で回線スピードを測定します。
回線スピードがどれくらいあるかで、実際に選ぶWi-Fiルーターに対する要求仕様が決まります。
スピードテストしたけど、どれを見れば良いのじゃ?
スピードテストで確認する速度は、主に下りのスピードです!
下りのスピードの測定結果例
ここで測定した回線スピードがその部屋の最速スピードになります。
無線LANを使った時は、有線LANと同じスピードを出す事は難しいですが、無線LANの通信速度は有線LANの7割~8割程度まで出せる可能性はあります。
LANケーブルを選ぶ
ご自宅のインターネット速度が分かったら、その速度にあったLANケーブルを使いましょう!
LANケーブルには速度や帯域に応じて規格があります。
LANケーブルの種類
規格 | 対応速度 | 対応帯域 | 利用環境 |
---|---|---|---|
CAT5 | 100Mbps | 100MHz | 買ってはダメ |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | 一般家庭、小規模店舗など |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz | 大企業、大規模店舗など |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | 同上 |
CAT6E | 10Gpbs | 500MHz | 同上 |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | ノイズが多い場所で高速通信したい |
一般的なご家庭であれば、CAT5eでOK!
なるほど!CAT6やCAT7のケーブルを買うところじゃった。
ISPから支給されているルーターからWi-Fiルーターに接続する際は、一般家庭であればCAT5eのLANケーブルで十分です。
CAT5eとCAT6は通信速度は同じですが、帯域が100MHzと250MHzと違います。これは、そのネットワークに何台の端末が同時に通信するかに影響を及ぼします。
同時接続する端末が数台であれば、CAT5eのLANケーブルで十分です。
Wi-Fiルーターの設置場所の注意点
Wi-Fiルーターの配置場所は非常に重要です。
Wi-Fiルーターで使っている電波の周波数は、2.4GHzと5GHzの2種類。
それぞれの電波の特長
周波数 | 特長(良い点) | 特長(悪い点) |
---|---|---|
2.4GHz | 障害物に強い 通信距離が遠くまで飛ばせる | 電子レンジをつかうと電波が影響を受ける 通信速度が遅い |
5GHz | 電子レンジの電波に影響を受けにくい 通信速度が速い | 障害物に弱い 通信距離が短い |
これらの特性を理解したうえで、設置場所や使用する周波数を決めると良いです。
例1)ワンルームやルーターのある部屋だけでPCやスマホを使う場合
ルーターからの電波が遮るものが無く、ルーターからの距離からも比較的近くで使えるので、5GHzが使えます。
11nや11ac、11axで最高速度が出る設定で接続しましょう。
例2)ルーターがクローゼットや部屋の隅に置く場合
恐らく、このケースが多いと思います。
この場合、例1の様にルーターと同じ部屋や距離が近い場合は5GHzで接続はできますが、ルーターから部屋やフロアを隔てたりする場合は、床や壁(特に壁内部の鉄筋)の影響で5GHzの場合は急激に速度低下や接続の安定性が悪くなります。
その場合は、2.4GHzの周波数で接続するようにしましょう。
・電波は壁や距離で減衰するので、Wi-Fiルーターは1~2部屋に1つが理想
・電子レンジを使うときは5GHzの電波を使うと電波干渉が無く使える
このポイントを抑えると、Wi-Fiルーター選びのポイントも理解しやすくなります。
無線ルーターの選び方
それじゃあ、どんなWi-Fiルーターを買えばいいんじゃ?
無線ルーターの選び方は使用環境や目的によっても変わりますが、以下のポイントを押さえれば大丈夫です。
Wi-Fiルーターを選ぶ時にチェックするポイント!
- 最新の無線LAN規格に対応している(11acや11ax)
- 最速通信速度の確認
- 有線LANインターフェイスが1Gbpsに対応している
- IPv6に対応している
- Easy Mesh規格に対応している
ビームフォーミング機能については、正直あまり効果があるとは思えないので、過度な期待せず気持ち程度変わるぐらいに思っていてOKです。(私個人見解です。)
Wi-Fiルーター選びで重要なのは、当たり前なんですが最新の無線LAN規格に対応している事が一番重要です。
ポイントに「有線LANインターフェースが1Gbpsに対応」とあるが、どこを見ればいいんじゃ?
現在発売中のWi-Fiルーターは、ほぼ1Gbpsに対応はしているようです。仕様については、メーカーの商品ページの仕様を見るか、価格.comでも記載がありますので、ご参照ください。
どのような製品があるかは、価格.comで調べると大変便利です。
仕様別にソートもする事ができるので、上記のポイントを加味して選ぶと良いです。
無線LANの速度低下を防ぐ方法
わしはマンションに住んでいるんじゃが、速度を落とさな方法はないのか?
もちろん、速度低下を防ぐ方法はあります!
代表的な方法は、中継器やメッシュWiFiです。
中継器
中継器は親機からの電波を中継器(子機)が受けて弱くなった電波を中継器が再度強くします。
その為、親機1台だった時に電波が1本だったのが中継器を介す事で3本になるイメージです。
中継器自体は親機を購入するよりも安価でできます。また、買い替えで使わなくなったWi-Fiルーターを再利用する事も出来ます!
ただ、親機と子機との通信も当然Wi-Fiの電波でつなぎます。その為、親機と子機との通信が2.4GHzで接続した場合、子機に5GHzでつないでも2.4GHzの速度しか出ません。
メッシュWiFi
メッシュWiFIには、Wi-Fi Allianceが策定した「Wi-Fi Easy Mesh(イージーメッシュ)™」と言う標準規格があります。
その為、メーカー間での相互接続以外にも、セットアップやローミングと言った接続に関する部分を規格化する事で、使いやすくしました。
バッファローさんのホームページにメッシュWi-Fiのメリットや技術解説をくわしくされていますので、ご参考にどうぞ!
番外編:宅内LAN配線
マンションやアパートでは難しいのですが、一戸建ての場合、クローゼットなどに分電盤の様なメディアターミナルと言って、そこから各部屋に配線を通す管が壁の中に通っていて、LANケーブルや電話線を通す事ができるようになっています。
どおしてもWi-Fiルーターが2階や1階の隅にあるような場合、LANケーブルを各部屋に通す事で、そこにWi-Fiルーターを設置できるので、電波を安定して使う事ができます。
- モジュラジャック
- LANケーブル(20m~30m)
- 導線ワイヤー(30mあればOK、壁内配管にワイヤーがすでに通っている場合は不用です。)
それぞれの部材の参考品は以下になります。
参考例
私の自宅の環境
2階:JCOMのブロードバンドルーター(BL901HW)、NECの中継器(W1200EX)
1階:NECのWi-Fiルーター(WG2600HP)
*赤ラインは壁内にCAT5eのLANケーブル(20m)を使用
iPhone 13 mini を使って通信速度を計測しました。
計測結果はこのようになりました。
私の自宅の場合は、1階と2階にそれぞれWi-Fiルーターを配置しています。
その為、各階の部屋にいる時はそれぞれのWi-Fiルーターに5GHzで接続して使用しています。
そうすることで、高速で安定してた無線通信を得る事ができます。
ルーターについては型番を記していますが、特に特別なものではなく、一般的なグレードの物になっています。
2階にある中継器は、浴室でスマホを接続する際に使用しています。
浴室は1階にあるのですが、1階のWi-Fiルーターの2.4GHzでも通信状態が悪いので、浴室の直上に中継器を設置して、2階のWi-Fiルーターの電波を中継する形で浴室まで電波を飛ばしています。
まとめ
Wi-Fiルーターを選ぶ際のポイントは、
- 自宅の回線スピードを確認する
- 回線スピードにあったLANケーブルを使う
- 回線スピードにあったWi-Fi規格を使う
- Wi-Fiルーターは、1フロアまたは1~2部屋に1台が理想
- 中継器、メッシュWi-Fiを使って速度低下を防ぐ
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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