こんにちは、きつね(@gijutsujin) です。
今回は、Bluetoothの新しいオーディオテクノロジーのLEオーディオについて解説します。
この解説記事については、技術に詳しくない方向けに、LEオーディオの概要を紹介したいと思います。
技術に詳しく詳細を知りたい方は、Bluetooth SIG に仕様書がありますので、そちらをご覧ください。
先日、JBLのLIVE FREE 2を購入しました。
このTWSヘッドホンはBluetooth 5.2をサポートしていて、LEオーディオにも対応という機種です。
合わせて、EarFun Air Pro 3 も将来的にLEオーディオ対応とのことで、1万円以下のTWSでもいよいよ対応製品が出てきました!
投稿時では、LEオーディオ(LC3コーデック)に対応している、ホスト機が無いので試す事はできないですが、この先20年間を支えるテクノロジーという触れ込みの、新しいコーデック規格です。
アップデート情報!
2022年6月6日のImpress AV Watchにてソニーの方にLEオーディオについてのインタビュー記事があります。
その中で、今後のLEオーディオ対応予定の製品として、「LinkBuds S」と「Xperia 1 Ⅳ」がファームウェアアップデートでLEオーディオ対応との事です!
LEオーディオの凄い所はこちら!
- 低ビットレートなのに高音質のLC3コーデック
- より低消費電力になり、バッテリーが長持ちになる
- マルチストリームによる新しい音楽、音声の聞き方が出来る
調べてみると、とても魅力的な規格でした。
出来るだけ分かりやすく解説しますので、是非最後まで読んで下さい!
それでは、始めます!!
LEオーディオ
Bluetooth 5.2から対応するLEオーディオ
このLEオーディオのポイントは3つ
- LC3コーデック
- マルチストリーム
- ブロードキャストオーディオ
概略説明動画はこちら!
Bluetoothはご存知の通り、オーディオ、データ通信、ロケーション、ネットワークのインフラとして使われています。
そして、オーディオとしての使われ方としては、近年凄まじい発展を遂げていて、Bluetoothヘッドホンやイヤホンなどオーディオ機器として使われているデバイスの出荷量が、2019年には10億台にまで広がりました。
そして、Bluetoothの新しいバージョン5.2から、画期的なオーディオ規格 LEオーディオが策定されました。
LEオーディオは、Bluetooth 5.2 で新しく実装された機能を使って動作します。
その為、Bluetooth 5.2以前のバージョンをサポートしているスマホやイヤホンなどはLEオーディオが対応できません。
BluetoothオーディオはLEオーディオの登場によって、
Classic Audio(今までのオーディオコーデック)とLEオーディオ(LC3コーデック)の2つに分かれます。
それぞれの特長はこちら
LC3コーデック
LC3と既存のコーデックの違い
LC3とは、Low Complexity Communcation Codecの略で、物凄く簡単に言うと低ビットレートでも高音質で通信するコーデックです。
低複雑性コミュニケーションとは難しいですね。
- 高音質
- バッテリーの消費の低減
- 伝送遅延の低減
今までは、高音質で聞く場合は、ビットレートを上げて大量のデータを通信する必要がありました。
しかし、LC3コーデックでは、低いビットレートでありながら高音質をキープする事ができる仕組みがあります。
このメリットとしては、高音質はキープしつつ、通信データ量が少なくなり、複雑な圧縮・解凍作業も必要なくなるのでプロセッサの消費電力が低くすることができ、バッテリーの消費量も抑える事ができるようになり、より長時間使用する事が可能になるわけです。
下の表はSBCとLC3で音楽を聴いた時の音質の評価においても、LC3の160kbpsでの音質がSBCの345kbpsの音質よりも良かったという結果に。
これが、本当かどうかは実際に製品になってみてからのお楽しみです。
グラフの見方
- 横軸はビットレート
- 青のバーはLC3コーデックの音質
- 黒のバーはSBCコーデックの音質
- 縦軸は音質の採点(参照:ITU-R BS.1116-3 (PDF))
音質の劣化具合 | グレード |
---|---|
わからない | 5.0 |
分かるが、うっとうしくない | 4.0 |
すこし、うっとうしい | 3.0 |
うっとうしい | 2.0 |
とてもうっとうしい | 1.0 |
ずれにしても、音信がそのままでバッテリーライフが向上してくれるLC3コーデックには期待せざるを得ません!
LC3は、低消費電力と低遅延をもたらす新技術という事で、今後20年間のスタンダードになるだろうと予測されています。
また、LC3はワイヤレスオーディオのすべてのニーズに対して満たすことが出来るであろうという見解もあるようなので、各ヘッドホン・イヤホンメーカーから発売される製品に期待しましょう!
使用想定
Bluetooth SIGが想定している、LEオーディオの使われ方をご紹介します。
マルチストリーム
マルチストリームとは、1つのスマホやオーディオ機器などが、複数のイヤホンなどに一斉に同期したデータを送信します。
完全ワイヤレスイヤホンに、この機能がつくと左右それぞれに信号を飛ばすので、片方だけバッテリーが減っちゃうという事は無くなりますね。
ブロードキャストオーディオ
パーソナルオーディオシェアリング
音声体験を共有する機能
パーソナルシェアリングの使い方は、動画の音声や音楽を特定の人だけに向けてシェアをして楽しむ使い方になります。
この場合、パスコードなどを使う事で部外者への音声シェアリングを防ぐ事が出来ます。
ロケーションオーディオシェアリング
特定の場所で音声をシェアする機能
空港やジム、映画館や会議場などの公共施設で来場者にたいして、テレビなどの画像の音声や、自動翻訳音声などをこの機能を使ってシェアする。
この様な使い方が出来る様になると、自分のヘッドホンやイヤホンで、様々な場所で利用することが出来る様になるので、とても便利になりますね。
補聴器
LEオーディオがターゲットとしている機器というのは、実は補聴器かもしれません。
いままでの補聴器は、難聴の方など音が聞きづらい方に周囲の音を大きくして聞くことを補助する役割を担っていました。
それが、LEオーディオになる事で、マルチストリーム機能やブロードキャストオーディオ機能を使う事で、従来の補聴器のサイズのまま、電話、音楽、動画、音声アシストを使ったり、建物内で管内放送を聞いたりする事が出来る様になります。
Auracast™
Bluetooth SIGは米国時間6月8日にブロードキャストオーディオの新ブランド「Auracast」を発表。
これは、LEオーディオ発表時にあった、マルチストリームやAudio Shearing としてきていしていた機能に対して「Auracast」とブランドを付けたのである。
今後、数か月以内にリリースされるとの事で、実際に製品に組み込まれる日が楽しみである。
まとめ
LEオーディオについて簡単に解説しました。ポイントはこのようになります。
- LC3コーデック:高音質なのに低消費電力と低遅延に貢献
- 補聴器の進化の期待
- ブロードキャストオーディオ機能:多数のデバイスと音楽や音声がシェア出来る
Bluetooth オーディオは年々進化を重ね、ここまで来たという感じです。
LEオーディオが普及すると、さらに使い勝手がよくなるので、イヤホンやヘッドホン選びがまた楽しくなります!
以上になります。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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