こんにちは、きつね(@gijutsujin) です!
今回は話題の電気自動車、三菱 ek クロス EVに試乗レポートをお届けします。
電気自動車に乗った事、ありますか?
私は数年前、三菱自動車のI-MIVEという軽自動車ベースの電気自動車を代車として借りたことがあります。
その時は航続距離も短く、また走行特性はゴーカートの様な操作感でトルクフルなモーターの加速感が面白いと感じました。
それ以降は電気自動車に乗ることが無く、その間にテスラや日産自動車からもハイブリッド車ではなく完全な電気自動車が世の中に登場しています。
欧州の自動車メーカーは他国の自動車メーカーよりも先行する形で内燃エンジンを持った車両の開発をやめてすべて電気自動車だけを生産する方向になっています。
しかし、まだ電気自動車が本格的に普及しているわけではないので、恐らく、電気自動車を持っている方や、乗ったり運転したりしたことがある方の割合は、まだまだ少数ではないでしょうか?
電気自動車って、運転はどうなの?
結論から言うと 今回試乗した電気自動車『ek クロス EV』に関して言えば、
普通の自動車そのもの!
むしろ、ターボが無いエンジンを搭載した軽自動車に比べて、とても加速が良く交通の流れに乗りやすいのが特徴的だ。
また、電気自動車全般に言える事だが、普通のガソリン・ディーゼル乗用車にくらべると、大型ナビがあったり、スイッチ類がタッチスイッチになっていたりと、今まで機械式だったところが電子式になっている点も特徴だろう。
近未来の乗り物とよばれていた電気自動車も当たり前になった今、これからの乗り物としてその特性をしっかりと理解すべく、今回の試乗にて感じた事をレポートしたい。
それでは、始めます!
- ターボ車並みに動力性能
- プロパイロットパーキングによる自動駐車
- 税金優遇がある(2022年9月時点)
- 充電時間がかかる(普通充電の場合)
- 充電設備はまだまだ少ない
ek クロス EVってどんな車?
2022年5月20日に三菱自動車は新しい電気自動車「ek クロス EV」を発表した。
このek クロス EVは日産自動車との合弁会社「NMKV」で設計・製造されている車種だ。
その為、日産からも同じプラットフォームを使用した「サクラ」を同時期にリリースしている。
こちらは電気自動車
ek クロス EVはSUVテイストの軽自動車である、ekクロスシリーズに新しく設定されたEVモデルだ。
日常使いに十分な航続距離を実現しながら、購入しやすい価格設定とされている。
ちなみに、ek クロス EVは自治体からの補助金を加えると100万円台から購入が可能ですよ!
こちらはガソリン車
マイパイロット
EVだけではなく、先進技術も取り入れられていて、「マイパロット」では「マイパイロットパーキング」を初採用し、駐車可能位置を自動で検知し、バックでの駐車や前からの駐車、縦列駐車にも対応している。(後述で解説あり)
ほかにも、「マイパイロット」機能によるレーダークルーズコントロールシステムと車線維持支援機能を備えており、車間距離と車線保持を自動で行いドライバーをサポートしてくれる。
MITSUBISHI CONNECT
安全・安心で快適なカーライフをサポートする「MITSUBISHI CONNECT]を採用。
ステータスチェック:万が一のSOSコールの他、駆動用バッテリー残量のチェックやドアの開閉状態が確認できる
今すぐエアコン:離れたところからもエアコンが開始できる
充電管理:充電完了等を通知
カーファインダー:車両の駐車位置を確認する事出来る
先進装備が充実している電気自動車ですね!
ek クロス EVにはほかにも3つの大きな特徴があります!
おうち充電
充電の際はガソリン車の給油口と似たような形状で充電ポートが用意されている。
急速充電ポートと普通充電ポートが上下に並んで配置しているのも分かりやすくてGood。
また、充電ポートのフタはプッシュ式で開閉する事が可能だ。
かんたん!おうち充電
気になる電気代はフル充電で約600円(電気代を30円/kWhの時)。当然深夜も使うとさらにお得になる計算だ。
一度の充電で180kmの走行が可能(WLTCモードで走行した場合)。1日の運転が20㎞前後であれば充電は1週間に1回でOKだとか。
気になる充電時間は?
ek クロス EVは自宅に設置した充電ケーブルを使用して充電が可能。
その場合、別途充電設備の工事が必要になるので注意が必要だ。
その理由は、200V/15A (消費電力3000W)を長時間連続して使い続けるので、ブレーカーもそれに対応する必要があるので注意が必要である。
充電設備設置工事の流れ
自宅に充電設備を設置に関する詳しい情報はこちらを参照の事。
I-MIVEの時は自宅の外部電源からケーブルを挿して充電する事ができたのですが、ek クロス EVの場合は充電方式が以前と違うのか、しっかりとした電気工事が必要なようです。
バッテリーの保証は8年16万km
電気自動車の気になる点といえば、バッテリーの寿命ではないだろうか?
この、ek クロス EVではメーカー保証として8年16万㎞のいずれかの間で、バッテリー容量が66%以下になった場合に交換などの保証を受ける事ができるようだ。詳しくはこちらを参照願いたい。
ここで気になるのは、66%までバッテリー容量が減った場合の航続距離だ。
リチウムイオン電池の特性上、バッテリーの出力は一気に落ちるので、まだいけると思っても一気に出力が無くなって、ガス欠ではなく電欠になるので注意が必要だろう。
なめらか&パワフル
ek クロス EVに搭載されるモーターの特性は、
最大トルク 195 N・m
最高出力 47 kW(約64PS)
同じ車体を使うek クロスのターボモデルと比べると?
ek クロス EV | ek クロス(ターボ仕様車) | |
---|---|---|
最大トルク | 195 N・m | 100 N・m |
最高出力 | 47 kW(64PS) | 47 kW(64PS) |
この様に、ターボモデルと比べると最高出力は同じだが、最大トルクがek クロス EVの方が上回っている。
これはモーターとガソリンエンジンの出力特性の違いがはっきりと出た結果だ。
この太いトルクのおかげで加速性能が良くなり、パワフルな走行特性を持つ。
3つのドライブモード
ek クロス EVには3つのドライブモードがあり、走行シーンに応じて走行特性を選ぶことが出来る。
ドライブモード選択例
イノベーティブペダル オペレーションモード
イノベーティブペダル オペレーションモードはアクセルペダルだけで操作する運転方法。
進むときはアクセルペダルを踏みこむが、減速するときはペダルを戻す量で調節する形だ。
アクセルペダルのワンペダルで操作が出来るので、ハンドル操作に集中が出来る。
ただし、停車の際にはブレーキペダルを踏む必要はあるのでご注意を。
押すだけ駐車
ek クロス EVの最大の特長であるマイパイロットパーキング。
これは、カメラとセンサーを使った自動駐車システム。
駐車位置を決めたあと、マイパイロットパーキングスイッチを押すだけで、自動的にハンドルやアクセル、ブレーキを操作して、指定した駐車位置に自動で駐車してくれるのだ。
試乗レポート
今回も試乗前にこちらのレビュー動画を見て勉強しました!
外観
外観については、ガソリン車のek クロスと全く同じ。
ただ、ボディーカラーが特別色を用意しているので、差別化はされているようだ。
バッテリーは後部座席下のスペースに配置しており、後方からもその存在を確認する事ができる。
車両重量はPグレードで1080㎏となっており、ガソリン車の4WDターボモデルだと940㎏なので、100㎏程増加している事になる。エンジンやガソリンタンクは無いが、バッテリーとモーターで重量が増していることになる。
充電口はこのように通常充電用ポート(上)と急速充電用のポート(下)が縦に並んでいる。
ちなみに、充電口のフタはワンプッシュで開く。
充電ポートがこのように通常のガソリン車のように後方の側面についているのはなかなか珍しい仕様だ。
また、充電ポートも1か所にまとまって配置されているのもGoodポイントだ。
ボンネット内部の様子。
オレンジのケーブルがあるのが動力用のモーター。
ek クロス EVは電気自動車なのでラジエーターは存在しないので、ボンネット内の空間には余裕がある。
写真左側にはバッテリーが積んである。
後部座席下にあるバッテリーは動力用として使用し、通常の鉛バッテリーはナビやその他電子機器用の電源に使われているようだ。
運転席周りは黒を基調としたダッシュボードやエアコン操作部。
メーターも液晶となっていて、最新の電気自動車の装備は持っている。
質感は非常によく、最近の軽自動車はクオリティが非常に高いと感じる。
視界
運転中の視界は非常に良好。
ナビゲーションや液晶メーターの画面もそれぞれ大画面なので非常に見やすい。
実際の運転について
システムを起動するときは、ブレーキを踏みながら電源ボタンを押す。
これは本当にPCを起動するような感じ。実に不思議である。
メーターは7インチ液晶ディスプレイが搭載されている。
非常に見やすく、あらゆる情報をここで確認する事ができる。
シフトノブはこのような形式になっている。
パーキングはシフトノブの上にボタンとして存在している。駐車する際はPボタンを押せばパーキングになる仕組みだ。
ノブの位置としてはニュートラルの位置が定位置の様だ。
そこから、ノブにあるボタンを押しながら上下させて進む方向を決める。
試乗した際は、この方式のシフトノブが初めてだったため、まれに”D”に入れるところを”R”にしてしまう事があった。
シフトノブの右側には、イノベーティブペダルオペレーションモードのスイッチとマイパイロットパーキングで使うスイッチ。
シフトノブの左側はエアコンの操作パネルだ。ボタンはすべて静電容量式のタッチボタンになっている。
各ボタンは写真で見てもわかるように、凹凸がないので目視して操作する必要がある。
今回試乗した車には9インチの大画面スマートフォン連動ナビゲーションが搭載されていた。
とても見やすく、マイパイロットパーキングを使う際はこの画面を見ながら操作する事になる。
運転席の右下あたりにあるスイッチ類。
ドライブモードがこの位置にあるので、操作が非常にしづらい。
なぜ、ドライブモードのスイッチをハンドルまたは、もっと上の方に置かなかったのか謎。
後部座席
最近の軽自動車の特長なのが、後部座席の快適性の高さ。
ek クロスもスーパーハイト系の軽自動車とは違うが、頭から天井までの空間は十分に確保できている。
また、後部座席はスライドできるので、足元空間も大きくとることが可能だ。
写真の座席位置としては一番後ろにスライドさせたときの場所になる。
マイパイロットパーキング
今回の試乗でマイパイロットパーキングを試させてもらった。
ここで感じたのは、最初の駐車位置を車に認識させる必要があるのだが、これがやや慣れが必要ということ。
例えば、狭い駐車場などの場合、クルマを挟んで左右に駐車スペースがある場合、駐車スペースの白線をカメラで読み取って位置を認識するので、止めたい駐車スペースに寄った状態で車を止める必要がある。
最初はこれがうまく認識させることが出来ず、何回か車を止める位置を調整する事でようやく車に止めたい駐車スペースを設定することが出来た。
この事から、例えば車の多い駐車場でマイパイロットパーキングを使う場合、駐車スペースを一発で認識させる事ができればよいが、クルマが駐車スペースを迷うような場合には、時間がかかり過ぎて後続車に迷惑をかける可能性が予想される。
とは言え、これも慣れだと思うので、しっかりと練習してマイパイロットパーキングのクセを認識すれば問題は無いのかもしれない。
まとめ
ek クロス EVに試乗してきました。
- 動力性能はターボモデルと同等
- マイパイロットパーキングは面白い
- 補助金が無くなる前に買え!
補助金について、本記事を投稿時(2022年9月時点)ですでに申請の受付を早期に終了する事が2022年8月2日に次世代自動車振興センターより公表されました。
終了見込み時期は10月末をめどとなっています。
これは、EVを契約した日ではなく車両登録をする事で発生する補助金なので、納期が間に合わない場合はOUTという事になるので注意が必要だ。
総評
総評に対するコメント
まず外観だが、外観はガソリン車と同じデザインという事で、電気自動車という事で奇抜なデザインではないので違和感なく受け入れられるデザインとなった。
内装については、軽自動車とあって装備の豪華さはないが、ナビや液晶メーターなどを装備している所が、電気自動車らしくて良いと感じた。
走行性能については、前述でも申したがターボモデルと同じような加速性能を持っている。ガソリン車に比べ車両重量は増しているものの、モーターから発生する太いトルクが重たい車体をグイグイ引っ張る感じで、安心して運転することが出来た。
また、プロパイロットも素晴らしく、プロパイロットパーキングに至っては、ボタンを押している間に自動で駐車してくれるので、駐車が苦手な初心者の方や高齢者にオススメの機能ではないかと感じた。
コスパについては、補助金を入れて車両価格が100万円を切るというところは魅力的な所ではあるが、補助金の申請が終了した後に購入を検討する場合は、トータルコストをガソリン車と比較検討する必要が出てくるので、判断が難しい所ではある。
今後、ガソリン車などの内燃エンジンを持たない電気自動車が増えてくる事に備えて、今からでも電気自動車のメリットやデメリットを理解して快適且つ安全に使用できるように我々も特性を理解する必要があるのではないだろうか?
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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店舗紹介
今回お世話になったお店は、、三菱コルト自動車販売株式会社 千葉店さんです。
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